「鉄拳」シリーズと
「ジャパン・eスポーツ・プロライセンス」について

鉄拳プロジェクト チーフプロデューサー 原田勝弘

「ジャパン・eスポーツ・プロライセンス」について

近年、eスポーツを取り巻く環境は急速に盛り上がっています。eスポーツタイトルのひとつとして取り上げていただく機会が多い『鉄拳7』でも、BANDAI NAMCO Entertainment America Inc.が主催する「TEKKEN WORLD TOUR」など、世界規模での展開を行っています。また、日本においてもプレイヤーやファンの皆さまによって20年以上にわたって支えられ、全国各地でコミュニティを中心としたゲーム大会が数多く開催されています。

これまで、日本におけるeスポーツの展開には、eスポーツ自体への認知や法律による規制など様々な日本固有の問題があり、盛り上げにくいという状況がありました。私自身、かつてeスポーツという言葉がまだ無かった時代から、数々のゲーム大会やトーナメントなど、現在の格闘ゲームコミュニティシーンに繋がるイベントを開催・運営してきた経験がありますが、これらをとりまく環境に対してもどかしさを感じる事が多かったのは否めません。

現在、このeスポーツ時代において、プレイヤーやファンの活動がさらに活発なものになるために、私たちは何をすべきなのか?この課題を解決するべく、私たちを含めた様々な立場の関係者が議論を重ね、そのひとつの選択肢として、一般社団法人日本eスポーツ連合(JeSU)から「ジャパン・eスポーツ・プロライセンス」(以下「プロライセンス」)が発行されるに至りました。

「鉄拳」シリーズのプロライセンス制度への関わり方について

ご存知の通り、「鉄拳」シリーズはこのプロライセンスの発行タイトルとして認定されています。私たちがプロライセンスを発行する目的は、プロライセンスの理念と同じく「プレイヤーやファンの活動をさらに盛り上げること」に尽きます。eスポーツをもっと気軽に楽しんでいただく環境の整備や、「プロゲーマー」と呼ばれるトッププレイヤーの地位向上を行うための手段として、プロライセンス制度が本当に相応しいかどうか様々な議論があります。現状が全ての結論であるとは思いませんし、もっと多くの議論や提案が必要だとも考えています。しかし現時点で最も重要なのは、私たちがプロライセンス制度をきっかけに、これまで以上にコミュニティに歩み寄って対話を行い、eスポーツシーンをより良いものにしていきたいと考えているということです。

「鉄拳」シリーズのプロライセンス選手について

2018年2月11日に開催いたしました「闘会議2018 鉄拳7 ~Break the world~」にて、本大会上位4名へプロライセンスを発行いたしました。多数の参加者の中から勝利を積み上げてきたこの4名は、プロライセンスを受け取るに相応しい国内最強の4名です。

一方で、鉄拳の長きに渡る歴史のなかで、上記の4名を含め日本を飛び出して世界を舞台に戦いを繰り広げてきた選手たちがいます。私たちは、そういった選手にもプロライセンスを発行することで「鉄拳のプロライセンスを世界基準の強さを証明するもの」にしたいと考えました。そこで議論を重ねた結果、『鉄拳7』『鉄拳7 FATED RETRIBUTION』におけるバンダイナムコエンターテインメント公式大会ならびに「EVO」という世界規模の大会で、TOP10に複数回入賞したことがある選手上位4名へ、メーカー推薦としてプロライセンスを発行することにいたしました。

これにより、2018年3月時点で、「鉄拳」シリーズには8名のプロライセンス選手が存在することになります。今後は、プロライセンス選手に対して定期的に高額賞金を提供する大会を開催し、また、この8名にとどまらず、プロライセンス選手も今後も継続して増やしていきたいと考えております。

「鉄拳」シリーズのプロライセンスの取得方法について

「鉄拳」シリーズのプロライセンスは、バンダイナムコエンターテインメントが公認する大会に参加し、優秀な成績を修めることで受け取ることができるようになります。まだ正式なアナウンスはできませんが、定期的にプロライセンス選手を生み出すことができるよう、バンダイナムコエンターテインメント主催の公認大会はもちろん、第三者が主催する公認大会の開催実現に向けて編成を検討しております。

合わせて、BANDAI NAMCO Entertainment America Inc.が主催する「TEKKEN WORLD TOUR」など、海外で開催される大会での成績優秀者にも、メーカー推薦としてプロライセンスを発行できればと考えています。

これら活動を通じて、「鉄拳」シリーズのプロライセンス選手はもちろん、国内におけるeスポーツシーン全体を盛り上げるべく様々な環境を整えていきたいと考えております。引き続き、「鉄拳」シリーズへの温かいご支援と、今後さらに増えて参ります「鉄拳」シリーズのプロライセンス選手への温かい声援を承りますよう、よろしくお願い申し上げます。